初めから無理だろうなぁ
負けるだろうなと思って投げたなんて言うと
勝負師としては失格になってしまう。
だから勝ちに行くという気持ちで
挑もうとはしてるんですけれども。
どこかで内藤さんの方が
軌道が合ってるなって、心もなんか落ち着いて投げているように見えましたから。
で、過去の対戦歴。すごく
私にとって不利な状況なんじゃないかという
早く歩き過ぎてるし、指も乗ってなかったなぁ
と思うんですけどね。
落ち着いて見れば、この時はこれで精一杯ですよね。
何度経験したって、やっぱり優勝決定戦の
この1ゲームでどちらかが優勝となるって
こんな極限状態ないんで。
場をこなして通常通りに投げられるようになるんだとイメージしてたんですよ。
私は緊張しいやけど『いつか緊張しなくなる』と思ってたんですけど、緊張しなくならないんだって
緊張しながら投げなければならない
っていうことを理解しています。
例えば、日頃いつも手が乾燥してるんで。
優勝決定戦は手から汗が出てきて
びちゃびちゃになるんですよ。
こんなんってもうさぁ、どうしたらいいの?
ってなるやんか。
滑るねんボールが。
だから、汗が出ない状態で
優勝決定戦、投げれないから。
本来の投球はできないけど、その汗びちゃびちゃの中で優勝しないかんっていうことを
まぁそれほどになるって事は、それほどまでに優勝したいって強く思ってるってことです。
もしかして優勝、別にどっちでもいいと思ってたら
汗出てこないかもしれないもん。
でも強く願ってるから
挑んでいこう。
それにね、ユニフォームの上から見えるんじゃないかと思うぐらい心臓がバクバクしてるんですよ。
例えじゃないから。もうバクバクバクバクバクバクがさぁ
みんなから遠目には見て分からないかもしれないけど
近くで見てる私はわかってるんで。
自分が震えてる事が。
時間は止まってくれないっていう恐怖ですね。
何回味わっても
う〜ん、ありがたくて光栄だけど
ものすごくしんどい時間です。
悔いが残るんですよ。
あの時ちゃんと投げられなかったっていう悔い。
それは集中しきれなかったっていう反省点ね。
でもすごく集中しきって
自分の精一杯はこれだったって思ったものを出した後って
勝っても負けても、悔いが残らないんですよね。
清々しい。
それこそ心から相手の方が上だったって
清々しく思うんですよ。
私はそこでもっとちゃんと投げられたはずやのにっていうのが、悔しさで残るやつね。
あの時にこうしておけばよかったっていう悔いが残らないように今のできることはもう
全部出し切れるように。
私も何回も5番ピン絡みで残っているので
レーン的には本当にありがちなんですよね、4番・5番。
私も右でさっき、左かな。5-7が残る時に7番が倒れたりしているので、本当レーン的に
こういう状態に感じてるんですよ。
さらに10フレの1投目で同じように
甘くいってしまって、バケット
2番・4番・5番・8番が残ってる時点で、もう私は
これ負けてるって思ってるんです、もちろん。
9フレの時に負けたなって。
内藤さんがこれを
スペアしなくて203点で終わったこの後ねぇ。
それはちょっと待って。
ちょっと待って計算する時間をくださいってなって、
207点やから5ピン上回る。
っていうことはスペアをしなかったら
と、これめっちゃ計算しました。
とにかくスペアしないと負けるって、スペアしたら
勝つチャンスがもう1球あるって分かってました。
はいこのスペアでも怖かったのに
次6本で同点、今6本やったのに。
6本で203点。今の1球で、今の1球6本やってんで私。もうどうすんのこれ、あぁもう見たくない。
是非ね、北小金ボウルさんに行ってみてください。
このマスキングまだそのまま置いてくださっているんですよ。
ちょっとレーンは移動してますけど
先ほども言いました、
レーンによって選手1人1人の顔の写真が貼ってもらってますので。
19勝目を迎える瞬間、また
立ち会って頂きまして本当にありがとうございました。